Report | 青山学院大学中邨ゼミによる北海道大空町フィールドワークをコーディネートしました

大空町活性化へ、網走刑務所用地を活用した「地方創生」と「再犯防止」について考える3日間

株式会社GAROOは、2026年8月25日(火)〜8月27日(木)にかけて実施した、青山学院大学 経営学部 中邨ゼミの学生4名を対象とした大空町現地フィールドワークを企画・トータルコーディネートいたしました。

本取り組みは、1924年に開設された網走刑務所刑務作業農地「住吉作業所」の利活用を目的としたものであり、大空町・めまんべつ産業開発公社・株式会社GAROOの三者による「大空町すみよし里山再生委員会」の協力のもと、実施しています。

GAROOが主体となり、試作品開発の交渉からプログラム全体の設計、当日の現地運営にいたるまで一貫してプロデュースを行い、学生たちへ実践的な学びの場を創出いたしました。

スケジュールと活動内容

3日間のフィールドワークでは、「受刑者の再犯防止」と「大空町の地域活性化」の双方を学ぶため、以下のスケジュールで活動を行いました。

8月25日(火)
■ 網走監獄博物館にて、網走刑務所の歴史と過去の受刑者処遇を学ぶ
明治時代に造られた旧網走刑務所建造物を保存・公開している観光施設「網走監獄」を訪問。受刑者が北海道を開拓した歴史や、網走刑務所受刑者に対する過去の劣悪な労働環境などを学びました。

現在の更生を目的とした刑務所環境にたどり着くまでの変遷や、過去の網走刑務所と地域社会の繋がりに触れ、学生たちにとって受刑者の再犯防止ついて深く考える貴重な機会になりました。

8月26日(水)
■ 網走刑務所用地「住吉作業所」見学とブルーベリー収穫体験
住吉作業所はかつて網走刑務所受刑者が農作業を行っていた土地であり、現在は網走刑務所と大空町の「包括連携協定」のもと、GAROOから配属されている地域おこし協力隊員が住吉作業所の利活用事業を推進しています。

住吉作業所ではハスカップやブルーベリー、行者にんにく等の栽培が行われており、今回はブルーベリー収穫を行いました。

採れた作物を地域の活性に活かすのか、施設そのものを活用するのか、学生の皆さんには、見学を通して様々な視点から考えていただきました。

■ 現網走刑務所&二見ケ岡農園訪問
現在も多くの受刑者が収容されている網走刑務所と二見ケ岡農園を訪問。
刑務官の方から再犯防止施策について伺ったり、実際に使用している刑務作業現場と収監施設を見学しました。

受刑者の再犯率の高さや、再犯防止のための取り組みなど、再犯防止の現状について学ぶことができました。

8月27日(木)
■ 住吉作業所で収穫したブルーベリーでジャムづくり in 道の駅メルヘンの丘
最終日の午前は、フィールドワーク2日目に収穫したブルーベリーを加工して一からジャム製造を行いました。

住吉作業所での作物収穫は、現在も網走刑務所受刑者の方々にご協力いただいています。ブルーベリーの背景には、受刑者の方々の社会貢献と学生の皆さんの想いがあり、その貴重なブルーベリーをどのように発信していくのかを今後のテーマの一つとして掲げていきます。

ジャムに使われている表紙ラベルは青山学院大学の学生にデザインしていただいており、このジャムは全国矯正展(刑務作業品イベント)や東京都の稲城市民まつりで販売される予定です。

■ 試作品「行者にんにくチーズ製作」in ひがしもこと乳酪館
午後からは住吉作業所で収穫した行者にんにくと地元名物のチーズを掛け合わせた試作品を製作しました。行者にんにくをチーズに混ぜ込む前例が無く、味も全く想像がつかない挑戦的な特産品試作になりました。

今回の試作品は大空町の特産品であるシジミ醬油に行者にんにくを漬け込み、ストリングチーズ(割いて食べるタイプのチーズ)とクリームチーズに混ぜ込みました。この試作品アイデアは青山学院大学の学生が考案したものであり、大空町の特産品(チーズ・シジミ醬油・行者にんにく)を凝縮した商品企画でした。

■ 町長らに向けたフィールドワーク成果報告会
大空町長やマスコミが見守る緊張感の中、3日間のフィールドワークの成果報告を行いました。刑務所施設を訪問して感じたこと・試作品の成果を資料を用いて発表し、再犯防止の発信方法や試作品商品化の実施手順など今後の展望まで学生の皆さんに発表していただきました。

報告会の中で行者にんにくチーズの試食会を実施し、その味わいは大好評でした。関係者と協議の上、商品化の方向で合意。学生の成果を形として残すことができました。

商品開発は「地方創生」と「再犯防止」を実現していく上での一つの手段に過ぎないため、試作品を利用しながら今後どのように企画を発展させていくのかがカギになります。

学生は何を思い、どんな実りとなったか

学生が取り組む「再犯防止×地方創生」の企画案を形にする前に、現場を訪問し、再犯防止施策の難しさと実状を学んだことは、今後、再犯防止について発信する際に大きな説得力を持ちます。

住吉作業所PRと再犯防止についてのHPを作成する、HPに飛べるQRコードを商品パッケージに添付する、試作品の商品化に向けて具体性を高めるなど、学生の皆さんはこれから多様なアイデアを検証する予定です。

フィールドワークの経験を活かし、青山学院大学の学生ならではの視点やアイデアを「再犯防止施策」と「住吉作業所の利活用」にしっかりと結びつけ、中長期的にも大空町の活性化に寄与できる持続可能な施策へと発展させていきます。 

来年度実施のフィールドワークに向けて

今回のフィールドワークで得たリアルな気づきや学びは、来年度に予定されている実践的なフィールドワークに向けた確かな土台となります。

現地で体感した課題や再犯防止に対する想いをどのように活かし、どのような具体的な提案へと昇華させていくのか。

さらに進化した学生たちの活動報告をお届けできる予定ですので、ぜひお楽しみにしていただけますと幸いです。

今後の展望

GAROOでは、引き続き2月に予定されているフィールドワークに向けて各種コーディネート、伴走を行い、学生の主体的な学びが地域課題の解決や地域貢献へとつながるようサポートしてまいります。

GAROOが行う大学連携フィールドワークは、地域のためになることはもちろん、活動を通じて、大学生の学びを深める機会になることを大前提に考えています。

私たちはこれからも、地域・大学・行政が連携した「実践的な学びの場づくり」を通じて、関係人口の創出や持続可能な地域づくりに貢献してまいります。